自動車エンジン製造用直交型ロボットARG,C,L、応用
(期間:20数年前に1年2ヶ月)
背景
1986年当時、H社製作所エンジンブロック加工ライン,エンジン組み立てラインの自動化にHエンジニアリング製のロボットを応用する動きが全社的に見られた。
このロボットは筐体が総アルミ鋳物使用で軽量、高剛性、平ギア減速機、ハーモニックドライブ減速機、ラック&ピ二オン機構、エアーバランサで構成され、高速、ロングストローク、可搬重量が大きく保守容易なACサーボモータが原動機として使用された。
- ARG(Assebly Robot Gantry type)
直交型5軸ロボット - ARC(Assebly Robot Cantilever type)
直交型5軸ロボット - ARL(Assebly Robot Linear type)
直交型3軸ロボット
実施企業:Hエンジニアリング(株)
概要
1985年から一年間ほどの期間をかけて開発されたARGというロボットの水平展開を立石が担当した。
また派生機種としてARC,ARL(立石設計)というロボット群がある。主要な用途は以下の通りである。
- ARG
エンジン加工機に対してエンジンヘッドを投入、払出し。カムホルダーやボルトを供給。
カムホルダーボルト緩め、ボルト取り外し等の作業 - ARC
M/Cケース投入、ミッションオイル注入、スピードメータ取り付け、点火時期調整 - ARL
エンジンブロック加工機へのエンジンブロックのロード&アンロード
オートローダー様の用途
ARG
動作範囲と速度 |
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繰り返し停止精度(mm) | ±0.1 | ||||||||||||||||||
可搬質量(kg) | 100(15kgm) | ||||||||||||||||||
可動部重量(kg) | 150 | ||||||||||||||||||
モータ出力(ACサーボ) | 200, 400, 720W | ||||||||||||||||||
動作方式 | PTP |
ARGの製造コスト
9億円弱くらい(68台)
ARC
動作範囲と速度 |
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繰り返し停止精度(mm) | ±0.1 | ||||||||||||||||||
可搬質量(kg) | 40(11kgm) | ||||||||||||||||||
可動部重量(kg) | 100 | ||||||||||||||||||
モータ出力(ACサーボ) | 200, 400W | ||||||||||||||||||
動作方式 | PTP |
ARCの製造コスト
4000万円くらい(3台)
ARL
動作範囲と速度 (Y軸ストロークは可変) |
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繰り返し停止精度(mm) | ±0.1 | ||||||||||||
可搬質量(kg) | 100(15kgm) | ||||||||||||
可動部重量(kg) | 100 | ||||||||||||
モータ出力(ACサーボ) | 200, 400W | ||||||||||||
動作方式 | PTP |
ARLの製造コスト
1億5000万円くらい(19台)
ARG応用派生:フードレーザー溶接電動5軸ロボット設計
フードとはボンネットのこと、スティフナーにフードスキン(外皮)を巻き付けた部位を裏からレーザー溶接すると外側からスポット痕が見えることがない。
立石はARG標準版の図面をレーザー専門家に提供、ともにヘッド(レーザー本体)や光路、ミラー、光路排気、ハンド先端部のレーザー放出部の検討を実施した。
- 周辺機器
レーザー電源、チラー(ヘッド冷却用)、真空排気系(光路蛇腹内部)等 - 安全対策
ガントリー側面に厚手のビニールシート?を付加し作業者の目を保護。作業者にも安全メガネを義務付けた。
コストは数千万円/台だったと思います。2つの製作所用に5台を供給した。