薄膜加工装置搬送ロボット代替

背景

C社内の第2,3工場内の薄膜加工装置は稼動19年、11年ほど経過している。搬送ロボットとは薄膜加工装置へのガラス(カセット)の搬入、搬出を担うロボットで、D社製のスカラ型ロボットである。オーバーホールはD社に本ロボットを送り返して実施するしかなく、175万円ほどの費用がかかる。この大きさのロボットとしてはかなり高額である。

実施企業:C社

概要

図1に現行のD社製のスカラ型ロボットを示す。図2に改造設置後のM社製のロボットを示す。

図1:D社製スカラ型ロボット
図1:D社製スカラ型ロボット

図2:M社製極座標型ロボット
図2:M社製極座標型ロボット

このM社製のロボットは改造前は他のウェット設備で使用していて遊休設備となっていた。これは現行の搬送ロボットにストロークが似通っており、搬送ロボットをオーバーホールするよりリビルド が得策と考えられた。これををリビルドし搬送ロボットの代替とする。

X,Z軸はパナソニック社製のモーター、ドライバセットが製造中止のためオムロン製に切り替えた。これは極座標型3軸ロボットである。

仕様比較

現行 改造前M社製 リビルド後M社製
タイプ スカラ型3軸 極座標型3軸 極座標型3軸
繰り返し停止精度 ±0.1 mm ±0.05 mm ±0.05 mm
ストローク X軸 960 mm 650 mm 670 mm
ストローク Z軸 350 mm 400 mm 400 mm
ストローク θ軸 330° 340° 340°
可搬質量 3 kg ? kg ? kg
本体質量(3軸) 35 kg ? kg ? kg
制御方式 PTP PTP PTP
電源 AC100V ? ?
バキューム 工場ユーティリティー 工場ユーティリティー 工場ユーティリティー
OS ? ? Windows XP
ドライバ ? ? オムロン製

実施項目

  1. ローダーアンローダー寸法採取による作図、現状把握
  2. M社製ロボット分解調査
    各3軸駆動部調査、X軸ストローク伸長可能性チェック
    Z、X軸サーボモータハウジング採寸による現状調査、作図
  3. M社製ロボットを含むローダーアンローダー内での干渉チェック
  4. M社製ロボット駆動部サーボモーター変更のためのハウジング類設計
  5. M社製ロボットX軸ストローク伸長、前後に10mmづつ合計20mm
  6. 制御、電装系
    全軸ドライバ新設

製造コスト

制御、電装 50万円以下、メカ周り10万円以下 合計60万円以下
(人件費は含まれてはいない。実施台数1台のみ。)

機械図面構成

ASSY図5枚


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