液晶ライン用搬送ロボットリビルド
実施期間
2006年6月〜2007年4月および2008年8月〜2009年5月
背景
主として携帯電話やデジタルカメラ等に適用される液晶パネルの製造ラインにおいて、ガラス搬送用に使用されているヨーロッパB社製4軸垂直多関節型平行リンクアームロボットは稼働開始より7年ほどが経過し、チョコ停(ちょこっと停止する)が発生し始めた。
原因は多々あるがサーボモーターのシャフト折れが目立っていた。このサーボモーターはフランスのA社製で DC100Wであった。B社よりこのロボットを譲り受けた時点で既に製造中止となっており、代替えの必要性があった。
サーボモータを国産品に置き換えることによって安価に延命化を図るとともに動作速度を上げることによって搬送をタクトアップすることも目的の一つであった。
実施企業:C社
概要
改造前のロボットを写真1に示す。改造後のロボットを写真2に示す。
V軸 | Vertical (垂直) |
---|---|
H軸 | Horizontal (水平) |
R軸 | Rotation (回転) |
L軸 | Linear (直線) |
改造前 | 改造後 | |
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サーボモータ | DC100W(仏A社製) | AC100W(日本国内D社製) |
ドライバ | B社オリジナル | D社製 |
コントローラー | B社オリジナル | パソコン |
OS | B社オリジナル | Microsoft Windows |
アプリケーション | Pascal | 内作 |
ロボット最高速度 | 1 | 2倍に向上 |
繰り返し停止精度 | ±0.5mm | ±0.5mm |
旧 | 新 |
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サーボモータの大きさはパッと見、改造前に対して改造後は半分程度の大きさでしかない。しかしながら発生トルクは大きく最高速度増大に貢献している。サーボモータがDC→ACに変更になったことによるノイズの問題が発生したが、多層のスパイラルテープ電線にシールド用のテープ電線を追加することによって問題を克服した。
200X年にはシリンダバランサからのエア漏れが発生。芯ずれが原因か?翌年にはバランサをシリンダから引っ張りコイルばねに変更し、シリンダレギュレータ、配管等が不要となった。
改造コストは90万円/台(バネバランサタイプ)掛かってはいません。かなりお安く上がっています!一旦リビルドするともう10年くらいは動き続けます。面倒見はしてあげないといけませんが。