中古CVD移載機のリビルド
(2009年2月〜2010年3月)
背景
ある方式のフラットパネルの試作機として当社基板サイズとほぼ同じ第1世代の枚葉CVDが必要であった。
当社基板サイズに対しある企業さん用は少し大き目であった。ある企業さんから枚葉CVDと基板移載機のセットをお安く購入した。本移載機はS社製であるが、2009年当時既にS社はこのような移載機の補修や改造を行っておらず、立石がメカ周りの自動化対応改造を行わねばならなかった。
実施企業:C社
概要
本来、本機は作業者がカセットごとガラス基板を移載機にロードアンロードするタイプであった。
移載機中央部に5軸上下ツインアームの基板移載ロボットが配置されている。
扱い側左右には各々1セットづつカセットを載せ、ロボット側に回転させる機構が付加されていた。
扱い側中央部奥にはCVD本体のロードロック室ゲートがあり、ロボットはこちらも含めて4箇所へのアクセスを行っていた。
改造は以下の項目である。
- C社パスライン900mmとS社ロボットのアクセス高さ合わせのための上下軸を設けた。(エアシリンダ)
- 無人搬送車とのカセット受け渡しのために扱い側からみて前後軸を設けた。(エアシリンダ)
- 回転機構は従来既設機構は使わず新規にステッピングモーターと中空回転支持部を持つパック品を使った。改造は上部のフィルターや全面カバー類も撤去。従来回転機構も撤去し殆どフレームのみを使用した。
- ガラス基準ステーション新設。投入時ロボットにてカセットから抜いたガラスをガラス基準ステーションに一旦置き直してこれをロードロック室に投入するようにロボットアクセスを5箇所に増やした。
設置
フレーム下部にキャスターを付加し数名にて移動、床に施したマーカーを基準に設置した。その後、アンカーブラケットにてグレーティングに固定した。
注意点
- メカ周りの設計は3年ほど前の3月より5月の間の3ヶ月ほどである。総期間1年2ヶ月は初号機であることに依る様々なテストに時間を要したからである。
- ロボット本体はハンドのみ新規設計であり、その他の部位は改造を行ってはいない。
製造コスト
メカ周りのみの概算で200万円
仕様
本体質量 | 700kg |
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可搬質量 | 15kg |
全幅 | 3250mm |
全高 | 1840mm |
奥行 | 1270mm |
機械図面構成
全体図 | 1枚 |
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ASSY図 | 12枚 |
写真
カセットステーション用の駆動機構は一見、手を加えて安価に改造できるように見えるが、かえって高くつく可能性が大きいし、手間則ち時間も掛かる。このような機構は不要物として一気に分解撤去する。このあたりが立石の経験から得られたやり口である。ガラスサイズが少し大き目なのでロボットハンドも撤去し新規設計とした。